ヤマガタトラベル

ヤマガタを旅するように暮らす。

かみのやま温泉下大湯公衆浴場(上山市)

山形県を代表する温泉街にかみのやま温泉がある。

上山藩の城下町でありながら、羽州街道の宿場町でもある上山市。城下町や宿場町の面影が残る中心市街地から、それらを見下ろす静かな高台まで広範囲にわたって温泉旅館と公衆浴場が点在しており、特に公衆浴場は大人150円という激安の料金設定なので、上山市を訪れたらほぼ確実にひとっ風呂を浴びてしまう。そして、中でも一番のお気に入りが上山城の中心部にある下大湯公衆浴場だ。

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空洞化が著しい上山市の中心商店街の角を曲がった横丁沿いに鎮座し、ただならぬ存在感を放っているのが下大湯公衆浴場だ。かみのやま温泉の公衆浴場の中でも最も古く、たくあん漬けで知られる沢庵禅師も入浴したと言われる由緒ある温泉である。昭和32年に建てられた建物は改装を重ねながらこの地にどっしりと根を張って年月を重ねてきた風格を感じさせる。

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中に入ると正面には番台があり、番台をはさんで男湯と女湯に分かれるという絵に書いたような銭湯のスタイルだ。券売機で利用券を購入して番台に提出するのだが、入浴券150円という破格の安さのボタンの下に洗髪券100円というボタンがある。洗髪券?

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ごまかすこともできそうだが、洗髪する予定なので正直に洗髪券を購入して番台に提出すると、蛇口のコックがついた洗髪札を手渡される。なるほど、浴室の蛇口はコックが外されていて、これをつけることによってカランを利用することができるのだ(なお、シャワーはない)。

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そして、脱衣所で衣服を脱いで浴室へ。男湯と女湯を遮る壁には蔵王御釜と上山城が描かれており、番台に続いて昭和レトロな風景がたまらない。湯船に入ろうとすると無色透明の熱めのお湯に躊躇してしまうが、奥の方が加水されたぬるめの湯なので、壁の絵を眺めながらゆっくりと湯船につかる。湯量が豊富なので湯船からあふれたお湯が浴室の床を浸しており、地元民らしき入浴客が直に床に座って談笑している。ここにあるのは公衆浴場の原風景。かみのやま温泉に来たら一度は訪れたい公衆浴場だ。

名称:かみのやま温泉 下大湯公衆浴場

場所:上山市十日町9-30

営業時間:06:00〜22:00(12月〜2月は06:30〜22:00)

定休日:年中無休

料金:150円(洗髪料100円)

駐車場:有り(十日町駐車場)