ヤマガタトラベル

ヤマガタを旅するように暮らす。

麺屋酒田inみなと(酒田市)

山形県内、特に庄内で朝ラーのマーケットが拡大している。

基本的にラーメンは昼に食べるもの。朝からラーメンなんて胃にもたれるでしょう?そう考えている人が多数派なのは百も承知だが、実際に朝ラーを提供しているお店が増えているのは事実である。特に庄内は朝ラーを提供しているお店が多く、思いつくだけでも麺屋酒田inみなと、照月、風林火山、月輪、華煌、麺絆英、火山食堂、銀河…といったお店が7:00頃から営業して朝ラーを提供しているのだ。中でも今から10年近く前、他店に先駆けて新規開業と同時に朝ラーを始めたのが麺屋酒田inみなとだ。

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麺屋酒田は2010年創業ながら庄内地方に3店舗を展開する新興勢力のラーメン店だ。コシのあるうどんのような極太麺にあっさりスープ、そしてレンゲに盛られた背脂を溶かしてこってり感を増していくというスタイルはそれまでの庄内のラーメン店にはない革新的なものだった。

そして、本店に次いで2店舗目に出店したのが酒田港そばの麺屋酒田inみなと。注目すべきは朝5:00からという早朝営業で、当初は朝の早い市場関係者をターゲットにしているものと思われたが、次第に朝からラーメンを食べたいという一般市民の需要を掘り起こし、 庄内に朝ラーを定着させるきっかけになったお店だ。

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そして年末のある日、忘年会で酒田市内に泊まる機会があったので、麺屋酒田inみなとへ朝ラーしに行ってきた。店舗は内外装ともDIY感あふれる店構えで、食券機や配膳はセルフサービス、カウンターは立ち食いと、至るところでコストを抑える一方でラーメン一杯が500円のワンコインという辺りにブルーオーシャン戦略を感じさせられる。肝心のラーメンは小麦の風味の強いうどんのような極太麺で、モチモチした食感に手揉みの縮れが加わって口の中で麺が暴れまくる。この麺の個性を活かすためにスープは引き立て役に徹しており、個性的な麺とは真逆のあっさりスープ。一緒に添えられたレンゲの盛られた背脂を溶かしてこってり感を増すことができるが、引き立て役という立ち位置は変わらない。色んな意味で計算され尽くしたようなラーメンだ。

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そして後日。その麺のウマさをとことん味わうべく、再度訪問して船麺を発注。船麺とは、麺屋酒田3店舗の中でも麺屋酒田inみなとにしかない油そばだ。麺のウマさについては言うまでもなく、背脂と辛味噌、マヨネーズを混ぜて食べるジャンク感がたまらない。あれ、麺のウマさをとことん味わうのならつけめんの方が良かったのか?

ラーメンの味については好みによるところが大きく、特に麺屋酒田は麺の個性が強いので好き嫌いが大きく分かれるところだろうが、一定のファン層をガッチリと掴んでいるのは確かである。好みの問題なのでどこが一番ウマいというような順序はつけようがないのだが、唯一無二の個性的な麺とそれを引き立てるスープ、あらゆるコストを抑えた上でラーメン一杯ワンコインを実現させるブルーオーシャン戦略、そして庄内の朝ラー需要を掘り起こす早朝営業と、経営の革新性においては山形県内のラーメン店では随一の存在と言っていいと思うのだ。

 

名称:麺屋酒田inみなと

場所:酒田市船場町2丁目3-5

営業時間:05:00〜14:00 ※土日は05:00〜09:00/11:00〜14:00

定休日:水曜日

駐車場:有り(JFやまがた向かい)